咬合・顎関節症治療
temporomandibular
最良な咬み合わせの回復による全身的な回復を目指して
咬合の問題や顎関節症(TMD)は、当医院に来られる多くの患者様が経験する比較的一般的な症状です。特に顎関節症は、女性では数人にひとりの割合で何らかの症状が見られます。治療する際には、患者様の一人ひとりの具体的な症状と生活状況を十分に考慮した個別の治療が必要となってきます。治療の最終目標は、痛みの軽減、咬合の改善、そして最終的には患者様の生活の質の向上を目指した最善の治療を行います。
補綴治療
スプリント治療
自覚症状が無くメカニカルストレスを引き起こす
メカニカルストレスとは食いしばりなどのブラキシズムで顎関節や咬合に関わる生体力学的なストレスや負荷のことを指します。このストレスは、不適切な咬合、歯の欠損、咀嚼筋の過剰な緊張、または外傷などによって生じることがあります。顎関節に過剰な負荷がかかると、関節や周囲の組織に炎症や損傷を引き起こし、顎関節症の症状を発生させる原因となりますので少しでも気になる方は診察をおすすめします。
不適切な咬合
歯の欠損
咀嚼筋の過剰な緊張
顎がカクカクする
口を開いたら痛い
口が思ったより開かない
あくびをしたら顎が痛い
ジャリジャリした音がして痛い
噛んでいるうちに痛くなる
物を食べるたびに痛い
朝起きたら口が開かない
朝起きたら口が開かない!?
こんな症状があったらお早めにご来院ください。
朝に起きた際に口が開かない状態に直面する方は、急性クローズドロックという状態に陥っている可能性があります。急性クローズドロックは、顎関節の関節円板機能障害の一形態であり、顎を動かす際に感じる突然の固定感や開けられない状態を指します。急性ロックが起きて、無理に開口練習をしたり、大人で3ヶ月、子供の場合は数週間で関節円板の癒着が始まってしまい、そのまま放置すると円板を元に戻す治療「マニュピレーション」が行えなくなってしまいます。
急性クローズドロックした状態のまま放置されたりして、適切な処置が行えず、一生開口障害を抱える患者様もおられます。
急性クローズドロックの背後には多様な原因が存在します
ストレスがこれらの一因としてよく知られています。ストレスは無意識のうちに歯を食いしばる行動(ブラキシズム)を引き起こすことがあり、これが顎関節への過剰な圧力となり、結果として顎関節症や急性クローズドロックを誘発することがあります。また、不適切な姿勢や噛み合わせの問題、顎に対する過去の外傷なども、顎関節症のリスクを高める要因です。
早期発見と適切な治療によって大きく改善します
顎関節症の中でも特に急性クローズドロックは、早期発見と適切な治療によって大きく改善することが可能です。一つの被せ物が高い、低いでも、顎関節に症状が出る場合もありますので、自己判断による治療を試みるのではなく、専門的な治療を受けることで、顎関節の健康を守り、快適な日常生活を取り戻す第一歩を踏み出しましょう。
咬合・顎関節症を放っておくとどうなる?
慢性的な痛み
顎関節や顎周りの筋肉に持続的な痛みや不快感が生じ、顔、首、肩、さらには背中にも影響を及ぼすことがあります。
顎の動きの制限
顎が正しく開かない、閉じられない、または開閉時に痛みを感じるなど、顎の動きが制限されることがあります。最悪の場合、ロックジョー(顎が動かなくなる状態)になる可能性もあります。
食事や発話の困難
顎の動きが制限されると、噛むことや話すことが難しくなり、栄養摂取やコミュニケーションに影響を及ぼす可能性があります。
頭痛や耳鳴り
咬合問題や顎関節症は、頭痛や耳鳴りの原因となることがあり、これらの症状は患者の生活の質を大きく低下させることがあります。
歯の損傷
不適切な咬合は、歯に過度のストレスをかけ、早期の歯の摩耗、破損、さらには歯の喪失を引き起こす可能性があります。
精神的ストレス
長期間にわたる痛みや不快感は、精神的なストレスや不安、うつ病を引き起こす可能性があります。
咬合の問題や顎関節症は、放置することなく適切な治療を受けることが非常に重要です。早期に対処することで、症状の悪化を防ぎ、健康上のリスクを最小限に抑えることができます。もし顎や歯に何らかの問題を感じた場合は、早めの診察をお勧めします。適切な治療で、痛みを和らげ、生活の質を改善することが可能です。
咬み合わせの治療方法
顎関節の触診と聴診
顎関節を触診と聴診する事により状態を審査、診断します。SCMレコーダーやMRIを利用して診断する場合もあります。
顎関節治療の基本治療は保険診療です。咬合挙上やインプラントを用いた場合は自費診療になります。
スプリント療法(スタビリゼーション他)
顎関節に強大なメカニカルストレスがかかりますす。スプリントを装着する事により顎関節にかかる力分散し、側方力の方向を適正にして顎関節円板や周囲の組織の治癒を促進させます。
咬合調整
咬合調整は、歯科医師が特殊な紙を使って咬み合わせの接触点を確認し、不適切な接触がある場合には、歯を削って調整します。これにより、歯の接触を均等にし、咬み合わせを改善します。
補綴治療
スプリント治療後に、低くなった被せ物を適正な咬合で被せ直します
マニュピレーション
急性クローズドロックの状態の関節円板を元の位置戻す整復処置です。
歯科矯正治療
顎関節症を歯科矯正で治そうとするのは、実は難易度が相当に高いといえます。
関節円板や顆頭の適正な位置に矯正で歯を並べる事は実に難しい治療といえます。
マウスピースやナイトガード
歯ぎしりや顎を強く噛みしめるクセがある場合、マウスピースやナイトガードを使用することで、歯や顎にかかる圧力を軽減し、咬み合わせの問題の悪化を防ぎます。
顎関節症の治療方法
マウスピース(スプリント)
マウスピース(スプリント)は、歯科治療において多様な目的で用いられる装置です。特に、顎関節症の治療、歯ぎしりや顎を強く噛みしめる(ブラキシズム)症状の緩和、スポーツ時の歯の保護、さらには歯科矯正治療の一環としても使用されます。マウスピースは、患者さんの口腔内に合わせてカスタムメイドされることが多く、顎関節への負担軽減、歯の損傷予防、咬合の安定化などに役立ちます。